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台風の勢いに任せて、亜美ちゃんとレイちゃんのお話。
無印かRですね。アニメと原作がやや混ざった感じなっています。
近いうちに暗い感じの話を1つ投下する予定です。

それでは続きからどうぞ

ガタン

夕日に染まる街を走るバスが、路面にあわせて軽くゆれる。
それと同時に右肩にかかってくる重み。次に艶やかな黒髪が流れてくる。

「レイちゃん?」

返事にはスーッという寝息がひとつ。
文化祭の準備で疲れてるのかしら。塾に向かう途中のバスでたまたま会った彼女はそんなことを言っていた。
起こさないように注意しながらレイちゃんの顔を覗き込むと、なるほど目の下にうっすらくまがある。
西日がバスの中を満たし、レイちゃんの髪や睫毛がキラキラと輝く。

みんなでお泊りしたことがないわけではないけれど、こんなに近くで彼女の寝顔を見るのは初めてで。
一番後ろの席でよかったなんて思ってしまう。


カタン、カタン


バスに乗ってきた私を見つけて、
「そういえば亜美ちゃんとこのバスで一緒になるなんてはじめてじゃない?」
なんてレイちゃんは言ってたけど。
本当は、はじめてじゃない。でもそれをレイちゃんが知っているはずもない。

塾へ行くために、ほんの数分だけ乗るこのバス。
いつからか視界に入れようと目が探していた、彼女。
いま考えると同じ仲間だから無意識のうちに惹かれていたのかも知れない。


カタン、カタン


もう一度首を回してレイちゃんの顔を覗き込む。
西日が邪魔なのかわずかにしかめられている眉。なんだかんだでよくみる表情。
筋の通った鼻、その下の綺麗な唇。そこから発せられる言葉にはいつも暖かな情を感じる。


(スッゴイ美人が見られるわよ)


いつかうさぎちゃんに言った私の台詞。
そのスッゴイ美人がいま私の肩で無防備に寝ているなんて、少し前の私は想像したかしら。
もうすぐ私の降りるバス停だ。そろそろこの少し重たい温かさをぬぐわなければいけない。

「レイちゃん……」

声をかけて、肩をゆするが変化はない。
それどころか「んんっ」とうめいてさらに私の肩に顔をうずめてくる。
これではとてもじゃないけど動けない。肩に寝息が当たり、ドキリとする。

そのまま何かに耐えるように身を硬くしていると、目的のバス停を通り越しもう火川神社前。
まさか塾をサボるなんて。
そんなことを考えながら私はボタンを押す。

 

レイちゃんにこの責任とってもらわないと、なんてね。

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ポカポカする感じの亜美ちゃんと亜美ちゃんに慣れてきたレイちゃん。
原作の亜美ちゃんのあの台詞でご飯3杯はいけます。

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