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星色アゲハ
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レイちゃん→亜美ちゃん(+???)な感じです。
続きからどうぞ


「本当の恋が何なのかしらないのに、か」
私は雑誌をめくりながらポソリと言葉を落とした。 

「え?」 
誰に向けて発するでもない言葉を机を挟んだ少女が拾う。

新しい敵に対する作戦会議とかで召集をかけたのに、急だったせいかまだ部屋に
は二人しかいない。姿の見えないメンバーはどうせ居残りかクラウンにいるに違
いない。ルナの苦労が少しだけみえた気がする。

そんなわけで今は部屋の主である私と居残りとは無関係な天才少女だけ。

そもそも私が零した言葉はいつだったか目の前の少女が言ったものだ。
「どうしたの?レイちゃん」
クリっとした目をこちらにむけて言葉を重ねる。 
彼女の様子をみて私の中にちょっとした悪戯心がわく。
「亜美ちゃんはさ、本当の恋を知らないじゃなくて忘れちゃっただけなんじゃな
いかって思って」
「えぇ?」
どういうこと、と亜美ちゃんは視線を投げかけてくる。 私は笑いながらその視線
を避けると膝立ちで彼女に歩み寄る。 

「ほら、やっぱり覚えていないのね」
あおい瞳を覗き込みながら続ける。 
「マーキュリー」



月の庭。薔薇が咲き誇っている庭園でマーキュリーと地球からの使者が話してい
る。 
やわらかな淡い栗色の髪を後ろにまとめた線の細い男のひと。
少し会話を交わしたあと彼は踵をかえし去っていく。 
事務的な会話しかしていないだろうし、お互いが月と地球の立場でしか向き合っ
ていないのだろうけど。 

普段のマーキュリーなら話が終わった時点で相手に背を向けて、見送るなんてこ
としないのに。

背中に向ける視線にどこか寂しげな色が混じっている気がする。
ひょっとしたら彼女自身も気付いてないのかもしれない。

だけど

私は愛の女神ではないけれど、彼女の事ならきっと間違えない。



亜美ちゃんの顔が間近にある。
彼女にしてはめずらしく目を白黒させて動揺している。 
知らず知らずのうちに私の口の端が上がる。
「じぶんで思い出すまで、教えてあげない」
くすりと抑え切れなかった笑いを零して私は一方的に会話を結ぶ。


マーキュリーをみていた私も あんな目をしていたのかしら。

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ゾイサイトとマーキュリーはすごい淡白そうです。
レイちゃんはちょいちょい亜美ちゃんにちょっかいをかけますが亜美ちゃんは全然気付いてくれません。
そんなお話。

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